ガラスについて

ガラスを定義することは難しく、一般的には目に見えることから固体とされますが、科学的な分野で見ると構造論的に冷えた液体とされることもあります。

この素材はいまだにはっきりと解明されているわけではありませんが、確実に言えることは天然に存在するものではなく、人工的に作り出すことで生まれる素材と言うことです。

ガラスの歴史として最も古いものでは、紀元前数千年にさかのぼり、古代メソポタミア時代にイスラエルで初めて生まれたとされます。

ひとりの船乗りがたき火をする為、そばにあった岩塩で風を遮るように組んでいたところ、その岩塩がたき火の熱で砂と反応し、世界で初めてのガラスが誕生したと言われています。

その頃は技術も何もなく、不透明で不完全な形として生まれ、現代のガラスとは似て非なるものでしたが、バビロニアの時代になると技術は大幅に進化して近代のものに近いものが作られるようになります。

日本では中国から製法が伝わったとされますが、あまり盛んには行われていなかったようで、奈良時代かそれ以前には伝わっていたものとされます。盛んになってきたのは江戸時代、オランダからガラス器が輸入されるようになると工芸も一気に発展していきます。